信頼

 

例えば、あなたは憧れのレストランで働きたいと思い、調理専門学校へ進学。
見事に首席で卒業し、晴れて憧れのレストランに就職できたとします。
あなたがまず任されるのは “皿洗い” です。
「皿洗いするために専門学校に通ったんじゃない!自分は成績優秀だったし、一通りの料理が出来るんだ!」と思うかもしれませんね。皿洗いは何のためにしているのか、考えてみましょう。

 

 

あなたがレストランへ食事に行ったときに、お皿に前の人の食べかすが付いていたら…
どんなに豪華な料理を前にしても食欲がなくなってしまうでしょう。
指紋ひとつないピカピカのグラスに注がれたワインなら、
どんなに安くても美味しく感じるのではないでしょうか。

 

このように雑用に見える皿洗いも、『価値up』『ファンup』に繋がる立派な「仕事」です。
皿洗いの本質や目的を理解せず、適当に 「作業」 でこなしていたら…
あなたはいつまでも皿洗い係のままです。
担当している業務の意味をしっかり理解してお客様のためにお皿を洗い続けていると、
先輩から “あいつは仕事の意味をしっかり理解しているな!” と認められて
次の仕事を任されるようになります。

 

次は、キャベツの千切りです。最近はキャベツを無料でおかわりできてしまうお店もありますね。
しかし、もしもそのキャベツが1センチ幅に切られていたなら…
魅力的ではなく、たとえ無料でもおかわりしないのではないでしょうか。
極細のキャベツだから美味しく感じ、もっと食べたくなるのだと思います。
キャベツの千切りも立派な「仕事」なのです。

 

しかしどんなに誠実に仕事に向き合っていても、失敗は付きもの。
右も左もわからない新人の頃は尚更です。
だから 初めの頃に任される業務というのは、あなたの1回の失敗がお店の ”ブランド” を大きく
傷つけることがなく「申し訳ございません!失礼しました!」 で許されるレベルの仕事から。
あなたがどんなに優秀な学生だったとしても、採用選考で接するわずかな時間の中で
”本当に信用に足る人物か” を見極めることは困難なのです。
まずは日々の簡単な業務の中で、上司や先輩からの信用を積み重ねていき、
安心して仕事を任せられる人だと認めてもらう必要があります。

 

皿洗いやキャベツの千切りがきちんと出来るようになると、
そのうち野菜炒めの調理を任されるようになります。
その頃のあなたは「仕事」について理解しているし、先輩の仕事の仕方も見て来ています。
また、学校で調理技術を学んできてもいます。上手に野菜炒めを作り上げるでしょう。
野菜炒めで信頼を得られれば、だんだんとハンバーグやステーキも頼まれるようになり、
一通りのフライパン料理がこなせるほどに成長します。
 

 

そしてお店に勤めて数年経つと、後輩が入って来るでしょう。
仕事について理解していて、一通りの業務を習得しているあなたは、後輩の教育係に指名されます。
あなたは自分が習った通りの手順で後輩を教育していくことでしょう。
後輩も一連のフライパン料理が出来るまでに成長します。
そしてまた数年経つと、そのまた後輩が入ってきます。
教育担当になった後輩もまた、自分が受けたことと同じような教育を施していくのではないでしょうか。

 

このように、あなたの下にはフライパン料理ができる後輩が3人、5人と増えていきます。
そしてあなたはオーナーから 「これからフライパン料理の注文が入ったら、
すべて君たちチームで作ってくれ」 と言われました。
これを会社組織風に表すと「フライパン課」の設立であり、「フライパン課の課長」に任命された
ということなのです。

 

 

 

 

例え話が長くなってしまいましたが、これが当社が考える『信頼を得る大切さ』の仕組みです。
信頼を得られると仕事を任され、信頼が繋がっていくとチームが形成され、
その結果として役職が与えられる。
すなわち、役職とは信頼の上に成り立っているものなのです。

 

 

社会人になってまず初めに心がけるのは、上司や先輩から信頼されること。
それはお客様から信頼されるということでもあります。
上司や先輩は、新入社員よりもお客様のことをよく理解しています。
その先輩方からの教育というのは「お客様のために良いこと・悪いこと」という基準です。
入社当初はなかなかお客様と直接接する機会は与えられないでしょう。
まずはお客様の代弁者である上司や先輩からの信頼を得てください。


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